サン・ブラスの貴腐ワインが、イギリスのワイン雑誌、デキャンタが毎年開催する国際ワインコンクールで「プラチナ・ベスト」賞を受賞しました。デキャンタ・ワールド・ワイン・アワードは信憑性、専門性の高さでワイン界において国際的に一つの指標になっています。244人の審査員はマスター・オフ・ワイン(この称号を持つのは世界でわずか343名)、マスター・ソムリエ、各地域のワイン専門家で構成され、エントリーワインは彼らのブランドテイスティングにより審査されます。2016年は全世界から16000本以上のワインがエントリーしました。今回、サン・ブラスは、この貴腐ワインの他、赤2本の受賞報告を受けました。
貴腐ワインは7~8年に一度醸造できるかどうかというくらい希少なワインです。サン・ブラスでは秋になると、夜の気温が下がり、露が多く見られるようになります。また、地所には川が通っているのですが、その川の付近のブドウ畑は毎朝霧で覆われます。これらの環境が微生物の発育、繁殖にもってこいなのです。朝霧、日中の気温上昇、日照のサイクルが繰り返され、果皮についた菌が代謝を重ね、ブドウのアロマ、味が凝縮していきます。そして貴腐ブドウになります。ただし、全てのブドウの粒が均等に貴腐化するわけではないので、数回にわたり収穫が行われます。収穫は、常に、手摘みで小箱が使用されます。2013年の収穫は11月末に行われ、フレンチオークの新樽で24ヶ月熟成されました。
サン・ブラス・貴腐ワインのアロマは、主に、マルメロ、サフラン、蜂蜜、フェンネルを思い起こす香りが溶け合い、また、燻製香も感じられ、非常に複雑です。味わいは、じわりと浸透するような印象。同時に、酸味と甘みの完璧なバランスを感じます。ストラクチャーもあり、余韻も非常に長いです。生産本数はわずか800本。ブリュッセル国際ワインコンクールでの受賞、新聞社のエル・パイスのワイン年鑑で90ポイントの評価を受けたこともあり、入手が困難になっています。また、サン・ブラス赤ワイン、ラボール・デル・アルマデケ、ボバル、ラス・オルマス、白ワイン、コンベニエンシアも上記の機関により高評価を受けたという追い風もあり、サン・ブラス、「偉大なるワイン造り」への道をまっしぐらに進んでいます。